一方、同様に老後資金調達の手段として、最近登場したのが「リースバック」だ。これはいったん自宅を売却した後にその家をまた借りる、というものだ。「賃料を払う形で」住み続けられるという仕組みだ。
リバースモーゲージはあくまでも家を担保に借金をする金融商品だが、リースバックは不動産取引(売却でお金が入る)。自宅の所有にこだわらなければリースバックのメリットは大きい。
「元気で自分で意思決定ができるうちに、新しい世代に引き継ぐとか、売却するとか賃貸に出すとか、次の選択肢に進むために有効な制度。まだ認知度は低いものの、間接的には空き家防止対策につながるとみています」(池本さん)
「空き家問題」で家族を悩ませてはいけない。自分の代で「家じまい」をしなければ、誰かに「空き家じまい」をさせることになる。
荷物の処分や家の整理に売却など、それこそ大変だ。
しっかりここを考えてこそ終活の総仕上げ、となるだろう。(本誌・大崎百紀)
※週刊朝日 2021年4月9日号より抜粋