SUUMO編集長の池本洋一さん(提供:SUUMO)
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「家じまい」大変度チェック (週刊朝日2021年4月9日号より)
「家じまい」大変度チェック (週刊朝日2021年4月9日号より)

 年を重ねれば誰もが考え始めるのが「家じまい」。大きな家を売ってマンションを終のすみかにした人、子どもに自宅を譲り、高齢者ホームに移る人、家を売ろうとしたけど、最後まで自宅となった人も……。家じまいを考える上での注意点を専門家たちと考えていきたい。

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 老人ホームへの入居相談や情報提供を行う「ケアプロデュース」代表取締役の安藤滉邦さんは、ホームへの住み替えの場合、「費用」と「居室の狭さへの覚悟」が必要だと話す。

「一般的に自立型施設の場合、入居一時金が3千万円以上かかるところが少なくありません。しかも、居室はそんなに広くありません」

 つまり、広い一軒家からの住み替えは、お金がかかる上に部屋は狭くなる、というダブルデメリットを覚悟しなければならない。

「少しでも広いところを求めるのならば、サービス付き高齢者向け住宅(以下サ高住)を選ぶのが良いでしょう」

 公的施設である特別養護老人ホームと比較して民間の施設は若干居室が広いのが一般的だ。

 夫婦で入居する場合は、同室か否かも慎重に検討したい。安藤さんは、夫婦どちらかが要介護であれば入居する部屋を別々で契約したほうがいい、と助言する。

「夫婦で離れたくない、というケースもあるのですが、一緒にいると奥さんが解放されないので、あまり勧めません」

 1カ所だけで決めずに、4、5件ぐらいの施設を内見するのが理想だという。友人の紹介など、すでに入居している人がいる施設は安心だ。

 最近のトレンドとして、施設の中でもたとえば「南側、角部屋」といった部屋の希望を出した上で空室待ちをする人もいるという。もう一つのポイントは決して入居と同時に家を売却しないことだ。

「自宅を売却したお金でホームに入るのはリスクがあります。コロナ禍の今、退院した後にすぐに施設に戻れず自宅待機を余儀なくされるということもあり得ます。契約後、徐々に住まいを移すのが良いでしょう」

 SUUMO編集長の池本洋一さんは、「自宅売却までは2年のホールドがおすすめ」と言う。

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