ところが、当時住んでいた家の近くに、現在角田さんが所属するお笑いトリオ「東京03」のメンバー・飯塚悟志さんが引っ越したことで、状況が一変する。番組や劇場で一緒になることが多く、すっかり顔見知りになっていた2人が、沿線の居酒屋でたびたび一緒に飲むようになった。角田さんは、前のトリオを辞めたタイミングで、飯塚さんから、「一緒にやらないか」と誘われた。

「前のトリオのときは、6年ぐらい僕がネタを書いてやっていたんですが、だんだん、『これ面白いのかな?』という疑問が生まれてしまって……。年も年だしそろそろこの辺でお笑いには見切りをつけようと思って解散したら、飯塚さんから、『自分たちが面白いと思うものやろうよ』と」

 角田さん、飯塚さんに、元々飯塚さんとコンビを組んでいた豊本明長さんと3人で、「東京03」を結成したのが2003年のことだった。

「それまで僕一人でネタを作っていたのが、飯塚さんと2人で一緒に、ファミレスで、ドリンクバーだけで何時間も粘りながらネタ作りができることが新鮮でした。ルーズリーフにシャーペンで書いたネタを、ファミレスの席に向かい合って座り、『こんなのどう?』『いいんじゃない?』と見せ合って進めます。この1年ちょっとは、コロナでそれができなくなってしまったけれど、コロナが明けたら、またあの作り方を復活させたいです」

 結成から6年。「東京03」がコント日本一を決める「キングオブコント」で優勝するまでには、人気のお笑い番組の変遷に伴う紆余曲折もあった。

「『エンタの神様』に出させていただけるようになってから、バイトをしなくてよくなっていったんですが、『爆笑レッドカーペット』が人気になると、1分ネタが全盛の時代がやってくるんです。僕らは10分ぐらいのネタが多くて、テレビでは5~6分まで縮めますけど、とてもその1分ブームには乗れなかった」

 売れている芸人イコールレッドカーペット芸人の時代。必然的に、営業に呼ばれる回数も減った。

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