一昨年のドラマ「ホリデイラブ」での怪演ぶりが話題となり、ブレークした女優、松本まりかさん。現在は「最高のオバハン 中島ハルコ」(フジテレビ系)に出演していますが、その原作(『最高のオバハン』シリーズ)を手がける作家・林真理子さんと対談を行ないました。林さんが松本さんの素顔に迫ります。
【松本まりか 自分を「女性ウケもよくない。ナメられやすいタイプ」】より続く
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林:いま36歳でしょう? お金持ちと結婚してラクになろうとか思ったことはなかったですか。
松本:それは一切思わなかったです。一ミリも思わなかったですね。
林:へぇ~、そうなんだ。
松本:仕事はほとんどなくて、お金もギリギリでしたけど、自立心がすごく強くて、男の人に依存するのがイヤだったんです。私は旦那さんを支えるタイプでもなくて、自分がやりたいこと、つまり演技がしたいということ、それが実現できない限り、男の人ともうまくいかないと思うし、子どもも絶対産めないと思いました。子どもはいずれ産みたいし、育てたいと思ってるんです。でも、私がちゃんと仕事をして稼いで、自分の足で立っているという状態にならないと、子どもはお母さんを尊敬してくれないし、育たないと思ったんです。
林:それはあまりに自分を律しすぎだと思いますよ。みんな未完成で結婚して、お互いに補いながら成長していくんですから。
松本:みんな未熟な状態で結婚すると思うんですけど、私はその状態にもいってないから、未熟でも結婚していいなと思えるぐらいの人にならなければ……。
林:そんな。もう十分すぎるぐらいだと思うけど、まだ合格点に達してない?
松本:達してないですね。今やっと皆さんから求めてもらえるようになって、少しその兆しが見えてきたかな、とは思いますけど。
林:女優さんでこういう遅咲きの人ってめずらしいんじゃない?
松本:女性は難しいですね。特に日本の芸能界は、若いほど価値があるという文化じゃないですか。10代がいちばんブレークしやすくて、次が20代前半で、20代後半になると難しい、30代は絶望的、みたいなことを聞きます。