24日、東京五輪の開幕まであと60日となった。だが、いまだ東京都は新型コロナウイルスの緊急事態宣言の真っただ中にあり、五輪開催には不安の声が絶えない。そんな中、旅行代理店のJTBは五輪の公式観戦ツアーの販売を開始した。1人450万円(18泊19日)の豪華プランもあり、なんとコロナに感染した場合の保険もセットで付いてくるという。五輪の開催自体が危ぶまれるなかで、この時期に感染補償までつけたツアーの販売を始めたのは一体なぜか。JTBを直撃した。
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JTBの公式観戦ツアーの目玉は、7月22日~8月9日まで毎日のように人気競技を観戦できる18泊19日のプラン。7月23日の開会式に始まり、柔道、体操、水泳、テニス、陸上、卓球、サッカー、野球などの主要競技を毎日観戦、そして8月8日の閉会式まで堪能できる。
ホテルは東京・新宿の京王プラザホテルで、最高価格は1人450万円!(2名1室、プレミアグランスイート)。食事は付いていない。他にも、「5種目観戦堪能プラン!」(6泊7日、50万8千円)や1競技観戦でラグジュアリーホテルに宿泊するプラン(2泊3日、12万1千円)などがある。
これだけの金額を払っても観戦したい人はいるだろうが、政治的にも五輪開催の是非が議論されている時期に、なぜ観客ありきを前提としたツアー商品を販売したのか。JTBの広報担当者はこう答えた。
「五輪関連に限らず、(コロナ禍でも)これまでも国内旅行商品を販売してきました。弊社は東京2020大会のパートナーでもあり、大会が開催するとなっている以上は貢献していく方針です。お客さまに対しては、感染症対策の順守を説明し、ご了承いただいたうえで販売しています」
感染症対策は、大会組織委員会によるガイドラインに従うとしているが、具体的な中身はまだ決まっていないという。ツアー参加者に事前にPCR検査を受けてもらうかなど、具体的な対応も未定だ。