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内永ゆか子さん
ベルリッツコーポレーションCEOなどを歴任(撮影/編集部・大貫聡子)
「5年間で待機児童をゼロに」「3年育休の実現。3年間抱っこし放題での職場復帰」など、働く女性のための政策を掲げる安倍晋三首相。だが、そこに違和感を感じる女性も少なくない。
神奈川県内の小学校に勤務するシングルマザーの女性(38)がもっとも違和感を感じたのもやはり非難轟々の育休3年だ。
「教員はすでに3年育休制度が採用されていますが、丸々3年休む人はほとんどいない。待機児童は0歳や1歳での入所が一番深刻だから、母親に3歳まで面倒を見させて待機児童を解消しようとする作戦か、とうがった見方すらしてしまいます」
企業のダイバーシティーを推進してきたNPO法人「J-Win」理事長の内永ゆか子さんは、安倍首相の育休3年発言は深刻なネガティブメッセージを含んでいると指摘する。
「あの発言こそ、組織内で女性のキャリアアップを阻んできたオールド・ボーイズ・ネットワークの典型です」
オールド・ボーイズ・ネットワークとは、長く男性社会だった組織や企業で共有されてきた独特の文化や雰囲気のことだ。
「産休明けの女性に、育児に専念したいだろうから大変な仕事は振らないという気遣いもそう。育休3年は選択肢の一つと言っても、『使わないなんて子どもがかわいそう』という価値観を助長する。競争力向上に女性の力が不可欠と言いながら、こんなメッセージを出すなんて見当違いも甚だしい」
※AERA 2013年6月24日号
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