(c)朝日新聞社 @@写禁
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 世界文化遺産への登録が決まった富士山。しかし一方で、噴火の可能性を秘めた「火山」でもある。5月には内閣府の有識者会議が、大規模な火山災害について国主導で防災対策を取るよう提言。しかし実際に噴火にはどう備えればいいのか。具体的な対策について、専門家に聞いた。

 まず食料、水の備蓄など地震対策がベースとなる。それに加えて、火山災害でやっかいな点は、火山から飛んでくる噴石だ。火口の近くにお住まいの方は、念のために、燃えにくい防火服を用意しておく必要がある。しっかりした防火服でも、ネットで探せば2万円ぐらいから買える。燃えやすい服を着ていると、高熱の噴石が当たれば火だるまになる危険がある。

 仮に、外出先で噴石が飛んできた場合、頑丈なコンクリート製の建物などに逃げ込むのがベストだ。ともかく、一時的に屋根がある安全な場所に避難していただきたい。

 噴火が生み出す強い衝撃波もやってくる。衝撃波で窓ガラスが割れる危険もあるので、自宅の窓ガラスには飛散を防止するシートを張るといい。

 2011年2月には、宮崎、鹿児島県境の新燃岳の火口から約11キロ離れた小学校で、衝撃波によって窓ガラスが割れる被害が出た。

 04年には内閣府がハザードマップ(富士山火山防災マップ)を作成しているので、マップを参考にして、どの方面に逃げればいいのか、日ごろから家族で話し合っておくことも重要だ。

週刊朝日 2013年5月24日号