「感謝することって大事だ、それを手紙で伝えることは効果的だ」というのは皆わかっていても、実際にやる人は少ないんですね。知っているのにやっていない。これを「感謝軽視バイアス」と言います。
今はメールもLINEもあるからそもそも手紙を書くこと自体、めったにないかもしれないですね。だからこそ、手紙がいいんです。それも一緒に暮らしている家族に送る。
今まで家族に感謝の手紙を書いたことってありますか?
ないとしたら、なぜですか。理由のひとつは毎日一緒に暮らしているし、 感謝していることぐらいわかっているよね、という思い込みでしょう。ふたつめは感謝を手紙で伝えるためには表現力が必要だと思っているから。うまく伝えられなかったら嫌だな、と思ってハードルが高くなっている。
でも、実は表現力というのはほぼ必要ないんです。表現力がなかったとしても、それでも伝えようとしてくれたところにむしろ好感を持つものです。
実際、その研究結果でわかったのは、事前に被験者が不安に思っていたこと(相手からおかしくなったんじゃないかと思われないか、変に思われないか、など)は、事例としてはひとつも起きなかったそうです。
むしろ、書いた本人が思っていた以上に相手が喜んでくれ、対応がよくなった、という結果になったそう。
ぜひ、「父の日」にプレゼントと一緒に感謝の言葉を添え、そして感謝の手紙を渡してみてください。
幸福度が上がるお金の使い方は「モノ」に使うよりも、「体験」「経験」に使った方が幸せ感が長続きすると言われています。家族から感謝の言葉や手紙を受け取った経験は、何よりも「幸せな経験」につながるはずです。
※星渉さんの新刊『科学的にイライラ怒りを手放す神子育て』(朝日新聞出版)から
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