代理婚活交流会の様子。親たちは真剣な表情だ
代理婚活交流会の様子。親たちは真剣な表情だ

 子に代わって親が婚活をする「代理婚活」の需要が伸びているという。結婚は家同士の結びつき、とはよく言われるものの、恋愛や結婚について個人の意思が尊重され、結婚しない選択も当たり前になった今、親が子の結婚に介入するのはなぜか。

【コツ】親が婚活に臨む子どもとの付き合い方5カ条がこちら

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「結婚はコスパが悪い」

「趣味に充てる時間がなくなる」

「家族を養う責任を負う自信もなく、気楽に生きたい」

 結婚に対してネガティブなイメージを持つ声が聞かれるようになって久しい。晩婚化が叫ばれている今、独身の子を持つ親たちが励む「代理婚活」の需要が伸びているという。

「代理婚活」について触れる前に、結婚をめぐる動向の変化について見ておきたい。

 今、晩婚化どころか、未婚のまま生涯を終えようとする人が増えている。国立社会保障・人口問題研究所の人口統計資料集(2022)によれば、50歳時の未婚割合は2020年は男性が28.25%。女性は17.81%。この数値は生涯未婚率とも呼ばれる。つまり、男性の3.5人に1人、女性は5.6人に1人が未婚を貫くということだ。

 この数字は年々上がっており、ここ30年で見ると男性は23ポイント増、女性は13ポイント増だ。

 さらにこんなデータもある。同研究所の「第16回出生動向基本調査」によると、「いずれ結婚するつもり」と考えている未婚者の割合は1997年以降横ばいだったが、2021年は前回調査の15年から男女ともに5ポイント近く減少した。その一方で、「一生結婚するつもりはない」と答えた未婚者は02年以降増加を続けており、男性17.3%、女性が14.6%だった。

 独身の増加は止まる気配がなく、うちの息子、娘はどうなのだろうか、と心配する親もいるのではないだろうか。そこで出てくるのが「代理婚活」だ。

■子の了解を得て参加の親が9割

 代理のお見合い、親による婚活パーティーを全国各地で開催している法人団体「良縁親の会」代表理事の宮越法子さんはその需要をこう話す。

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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