6月1日から日本女医会の青木正美医師らと「私たちが止めるしかない東京オリパラ」というオンラインでの抗議リレーを、週1で行っている。今まで50人以上の女性たちが出演し、オリパラに反対する理由を語ってきた。前回は五輪がスタートして初めての回で、ジャーナリストの西村カリンさんが出演し、選手村の状況や、来日した海外の記者とのやりとりについて話してくれた。
西村さんは、「3千人程度の感染者数(先週の東京の状況)は、ヨーロッパからみたらうらやましいくらい少なくみえる」と話した。ヨーロッパであれば一日数万人の感染が普通だからだ。でもそれはもちろん、誰でもどこでも24時間無料で行政検査できるからこそ出てきたリアルな感染者数だ。日本はPCR検査を24時間誰でもどこでも無料で受けられない珍しい「先進国」であることを海外の記者に伝えると誰もが驚くと、西村さんは話してくれた。だけれどそれは「下界」の話。自分には関係ないことと、五輪の内側の人たちは日々の行事を粛々と進行している。
近々東京の感染者数は1万人を超すという人もいるが、毎日ほぼ1万人くらいしか検査していない東京で、1万人の陽性者が数字として出ることは、今のところ考えにくい。本当の数字が全く見えないのが今の日本の怖さなのかもしれない。
先日、銀座を歩いた。五輪関係者の車や地方から来たパトカーや、都内で見たことのない地方の観光バスを見た。コロナ以前は中国人富裕層でにぎわっていたGINZA SIXの前に東京五輪関係者のシールをつけたバンが止まっていた。どんな人が戻ってくるのかなとしばらく見ていたが、10分以上経っても誰も戻ってこなかった。お買い物しているのかもしれないが、人混みの銀座にも普通に遊びにこられる五輪関係者であれば、バブルなんて本当に意味がないよねと実感する。
東京五輪開催とデルタ株の感染急増が同時期に始まった。「都内の人出は五輪のおかげで減っている」と総理も都知事も言っているが、人出が減っている具体的な根拠も数字も出てこない。先日、千円値上げした高速道路を初めて使ったが、そりゃそうでしょ、というくらいに空いていた。これをみて「人出が減った」と総理は思っているのだろうか。下の道が激混みしているのをご存じないのだろうか。