小川さんとは様々な事柄について対話を重ねたが、それを筆者は「面談」と呼び、小川さんは「デスマッチ」と呼んだ。呼び方ひとつにもそれぞれのキャラクターは出るものだが、尋ねる側は常に「分からないもんっ」と言ってりゃいいわけで、逆に素人の突飛な質問に答える側の小川さんの方がずっと大変。「デスマッチ」と感じていたのも、ふむふむなるほどだ。お疲れ様でした。

 小川さんは時に筆者のあまりの理解力の低さに、「和田さんに分かるように話すのが至難の業だ」と汗をかき、「和田さんに分かるように話すことは国家的課題だから、政治家がやらなくてはいけないことだ」とまで言い出した。国家的課題?! マジかっ? ブッ飛んだが、政治の何が何やら分からない1ライターが理解できるように語るということは、その先にいる読者という日本に住むあらゆる人々への理解へつながるのはもちろんのことで、国の代表者たる国会議員の小川さんは、主権者である私たち皆へ向け、必死になって全力で、国家が抱える問題、それを一体どうしていくべきか?を語ったことになる。「何が問題か見えること。そこに向かって半歩でも歩き出した時点で最大の解決となる」というのが小川さんの考え方の基本にあるそうで、とにかくまずは問題が何か、それを分かってもらいたいと言い続けていた。

 本にも書いたのだが、小川さんは最初に衆議院議員に立候補した2003年、32歳のとき、集まった支援者たちに向けて「ただただ今まで、政治を何か遠いもののように感じておられた多くの市民の手に、取り戻したい。どうかあきらめずに、一緒に歩いてください。心からお願い申し上げます」と大きな声を張りあげて言っていた。当時のTVドキュメンタリーにその映像が残っている。ちなみに小川さんは元野球部だ。

 その言葉にある「市民と一緒に歩いて行く」という信念を、「国家的課題」とまで言って必死に語り続ける熱さに、つくづく実感した。小川さんは最初からずっと変わらず、ひたすらに市民と共に歩もうとする政治家だ。

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