●千葉に残る「将門神社」の不思議

 惣五郎の処刑後、正信の周りでは不審が続く。懐妊中の妻の狂死、城内での幽霊目撃、翌年には突然自領の「将門神社」に社殿と鳥居を寄進、惣五郎の慰霊の祠も奉納した。そして3年後には本人も乱心、子も正信が自殺するまで蟄居の身となっている。

 堀田正俊の暗殺事件は、この正信の死去から4年後に起きた。もちろん正信の自殺は将軍・家綱が亡くなったことが原因で、将軍となった綱吉の治世となったことが要因なのだろう。

 余談だが、幕末の老中・堀田正睦は正俊の子孫である。彼もまた手腕がありながら大老・井伊直弼によって幕閣から追放された人物だ。正俊・正睦のお墓は、佐倉藩の菩提寺である甚大寺に仲良く並び祀られている。惣五郎が祀られている「宗吾霊廟」は、ここからからわずか6キロほどのところにある。(文・写真:『東京のパワースポットを歩く』・鈴子)

著者プロフィールを見る
鈴子

鈴子

昭和生まれのライター&編集者。神社仏閣とパワースポットに関するブログ「東京のパワースポットを歩く」(https://tokyopowerspot.com/blog/)が好評。著書に「怨霊退散! TOKYO最強パワースポットを歩く!東東京編/西東京編」(ファミマ・ドット・コム)、「開運ご利益東京・下町散歩 」(Gakken Mook)、「山手線と総武線で「金運」さんぽ!! 」「大江戸線で『縁結び』さんぽ!!」(いずれも新翠舎電子書籍)など。得意ジャンルはほかに欧米を中心とした海外テレビドラマ。ハワイ好き

鈴子の記事一覧はこちら