
菅義偉首相が総裁選不出馬を表明した3日、AERAの単独インタビューで「出るわよ」と総裁選出馬への意欲を示した野田聖子・自民党幹事長代行。ただ、新聞やテレビの報道では立候補に必要な20人の推薦人を集められるかどうかを疑問視する論調も目立つ。野田氏はこれまで何度も跳ね返されてきた「20人の壁」をどう考えているのか。
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野田氏は2015年、18年の総裁選でも立候補に意欲を示しつつ、そのたびに20人の推薦人を集めきれず、断念してきた。野田氏は3日の電話インタビューで「今回は私からガツガツ支持をお願いしなくても、今の状況に疑問がある人たちの『受け皿』として大きな期待が寄せられているのを実感している」と推薦人集めに自信をにじませた。
菅氏の不出馬表明で政界に激震が走る前の8月30日にも、野田氏はAERAの単独インタビューに答えていた。その場で「20人の壁」について聞いたところ、野田氏はこう答えた。
--「20人の推薦人が必要」という制度に総裁選立候補を阻まれてきました。
20人という仕組みがなくなって、米国の予備選挙みたいに誰でも出られるようになれば、という気持ちは当然あります。ずっと20人という数字だったわけじゃなく、いろいろ変化してきているのも事実。そんな仕組みがなかった時期に、私の祖父の野田卯一は総裁選に出た。で、取ったのが9票。私がおじいさんの頃に政治家だったら出られたのに、と思うと腹が立ちますよ(笑)。
--自民党の幹事長代行として、派閥政治の象徴とも言われる「推薦人20人」という仕組みを変えようとは思いませんか。
20人という仕組みがあるから、無派閥の人間が立候補できないんだという論理は、もう打破されてしまったんです。だって、菅首相は無派閥なのに20人以上の推薦人を集めて立候補して、総裁になった。実際に出られた菅首相がいて、出られなかった野田聖子がいる。だから、私が「推薦人20人はやめませんか」というのは、周りから見たら「自分のためにやっている」と思われてしまう。自分にとって有利になるようなことは言いたくない。そういうことを言う野田聖子は好きじゃないんです。やせ我慢だけどね。
(朝日新聞社・上栗崇)
※AERAオンライン限定記事
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