その法則を強引に当てはめれば、2002年の生まれの世代がちょうどそれに当てはまる。今年大学1年生を迎えた世代となる。

 今回の東京五輪という地元開催の五輪によって、引退を先延ばしにしてきたベテラン選手たちも多かったため、社会人スイマーが半数を占めていた。その影響もあって大学1年生世代が目立たない状況になってしまっているが、本多のライバルにもなる森本哲平(イトマン近大)は、現在インターナショナルスイミングリーグ(ISL)にロンドン・ロアから参戦し、優勝を果たしている。

 背泳ぎでは幼少期から日本のトップで活躍し続けており、萩野の記録も更新してきた栁川大樹(SPホウトク金沢/明治大学)や、個人メドレーには田渕海斗(NECGSC溝の口/明治大学)がいる。さらに東京五輪出場はならなかったが、4月の日本選手権で800m自由形の日本新記録を樹立した黒川紫唯(イトマン富田林/近畿大学)もこの世代だ。彼らの活躍も、今後期待したいところ。今年10月には、彼らは全日本学生選手権に出場する。そこでどんな泳ぎを見せてくれるのかに注目してもらいたい。

 本多が名実ともに日本を牽引するエースたりうるのか、そして2002年世代が次世代のゴールデンエイジとなることができるのか。そのすべては来年、2022年の世界選手権、そしてその出場権を懸けた3月の国際大会日本代表選手選考会でハッキリとすることだろう。(文・田坂友暁)

暮らしとモノ班 for promotion
台風、南海トラフ地震、…ライフライン復旧まで備える非常食の売れ筋ランキング