最近では坂本、山田を筆頭にメジャーに行かずに日本でキャリアを全うする内野手が増えてきていることについては、ポジティブに捉えている。

「メジャー挑戦だけがすべてではない。例えば、ハヤトには将来の三塁手転向の可能性もある。遊撃手に比べ動く幅が狭いから、堅実にやっている選手はしっくり合うポジション。遊撃手と三塁手の両方で球史に残る超一流選手になれる可能性は大きい。メジャーに挑戦してそこそこの活躍をするより、夢があると思うな」

　データ重視による極端なポジショニングなど、内野守備は大きく変化している。しかし確実にアウトカウントを稼ぐことが重要なのは変わらない。ダイビングキャッチなど派手なプレーでアウトにするのではなく、足を使って簡単に捕球してさばくのが内野守備の醍醐味とも語る。

「シートノックを見て欲しい。選手の新しい魅力が見つかるはず」

　日本球界には守備だけでお金を稼げる名内野手が、まだまだたくさんいる。（文中敬称略）

（文・山岡則夫）

●プロフィール
山岡則夫／1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌『Ballpark Time！』を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、編集・製作するほか、多くの雑誌、書籍、ホームページ等に寄稿している。Ballpark Time！公式ページ、facebook（Ballpark Time）に取材日記を不定期更新中。現在の肩書きはスポーツスペクテイター。

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