いずれにせよ、小学校の「帰りの会」がそうだったように、他人の粗探しが好きな人というのは往々にして「行儀・礼儀・作法」に文句を付けてくる傾向があります。「食べ方が汚い」「和服の着方が違う」「ネイルが派手過ぎる」「スカートが短過ぎる」、そして件の「足を組むな」「腕を組むな」「肘を突くな」。確かに大人として社会人として気をつけなければならないマナーではあります。だからと言って、テレビに出ている女優に「足を組むとは何事だ！」と目くじらを立て、わざわざ文字にして発信しているような連中にとっては、これらの常識や道徳観は「他人を非難して充足感を得る」ための餌でしかないのです。残念ながら、お里や育ちが知れてしまっているのは自分らの方だと気付くことは一生ないでしょう。そんな人たちに絡まれて小雪さん、お気の毒様でした。

ミッツ・マングローブ／1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場～語り亭～」「5時に夢中！」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

※週刊朝日 　2022年11月18日号

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