中学校の学習指導要領を超える「助動詞+完了形」を用いた過去に関する推測の表現(may have seen)が出題されたスピーキングテスト(photo 編集部・深澤友紀)
中学校の学習指導要領を超える「助動詞+完了形」を用いた過去に関する推測の表現(may have seen)が出題されたスピーキングテスト(photo 編集部・深澤友紀)
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 昨年11月に行われた都立高入試に導入されたスピーキングテストで、学習指導要領を逸脱した表現が出題されたことに対して、批判が相次いでいる。AERA 2023年1月30日号の記事を紹介する。

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 試験問題が公表されたとたん、SNSに批判のコメントが相次いだ。昨年11月に都立高校入試の一部として行われた英語スピーキングテストのことだ。東京都教育委員会(都教委)がベネッセコーポレーションを事業者に指定して実施された「ESAT-J」は、タブレットを用いて解答を録音する形で行われた。その結果は2月の都立高校入試で合否判定に用いる総合得点の一部となる。

 このテストに、「学習指導要領」を逸脱した文法を含む文が出題された。学習指導要領とは文部科学大臣が告示する文書のことで、例えば英語では文法事項や単語数が細かく規定され、守らない教科書は検定不合格となる。公立高校入試は、この範囲内で出題するのが「常識中の常識」だ。

 30年来、教科書の執筆に携わる神奈川大学教授の久保野雅史氏はこう語る。

「音読問題で『過去に関する推測(~だったかもしれない)』を表すmay have seenが文章の中にありました。この『助動詞+完了形』という文法事項は中学校では学習しません」

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