丸山茂樹
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 プロゴルファーの丸山茂樹氏は、ツアー2勝目を挙げた大槻智春選手、米PGAツアーでのあきらめない姿勢を見せた松山英樹選手について語る。

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 国内男子ツアーの「ANAオープン」(9月15~18日、北海道・札幌GC輪厚)は、大槻智春(32)が劇的すぎる勝ち方で、3年ぶりにツアー2勝目を挙げました。

 石川遼(31)とのプレーオフ1ホール目で、2打目をピッチングウェッジで打つと、奥からバックスピンで戻ってきたボールがカップイン。ミラクルと言っていいイーグルショットで優勝を決めました。遼がセカンドでピン手前3メートルにつけた直後だっただけに、「逆転サヨナラホームラン」といった感じでしたね。

 今年だけで2位が3度と、いいところに居続けながら優勝に手の届かなかった大槻です。これでいままでの屈辱や悔しさがいったんリセットできたんじゃないですかね。

 遼の猛追はすごかったですから、戦いづらいってのは何となく察知するわけですよ。「この勢いでやられたくないな」ってのは、大槻の頭にあったと思うんです。でも、残り130ヤードの地点にティーショットを打ち抜いた時点で、過去の優勝争いの経験が非常に生かされてはいると思うんですね。僕もとくに誰を応援するってのはないですけど、日大の後輩となると特別な目で見てしまうってのは間違いないので、ほんとにうれしかったです。

 さて、米PGAツアーの2022‐23年シーズン開幕戦「フォーティネット選手権」(9月15~18日、カリフォルニア州ナパのシルバラードリゾート&スパ)で、松山英樹(30)は最終日に45人を抜いて25位でした。3日間うまくいかず、ティーショットも珍しくぶれてたように見えましたし、最終日もそんなに納得のいくティーショットは打ててないと思います。そんな中でも最後まであきらめないという姿勢が「サンデー英樹」につながってるんじゃないかと思いますけどね。まあとにかく日曜日に強いですね。

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丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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