松下洸平さんがホストを務めるAERAの対談連載「じゅうにんといろ」、3人目のゲストは俳優や脚本家として多彩に活躍するマギーさんです。対談は、2人の仲が深まったNHK連続テレビ小説「スカーレット」の現場での思い出話からスタートしました。9月26日号に掲載した対談の様子を紹介します。
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松下 よろしくお願いします! 対談のゲストは、お一人目が俳優の井浦新さん、お二人目が林遣都くんでした。
マギー おお、俺の息子! 「スカーレット」で遣都くんの父親役をやったからね。
松下 家族でご出演いただき、本当にうれしいです! ありがとうございます。
マギー うれしいねぇ。
松下 実は、マギーさんとは「スカーレット」でお会いする前に、映画「燃えよ剣」で共演しているんです。ただ、一緒のシーンがなかったので、当時はご挨拶ができませんでした。
マギー そうだった、すれ違ってるんだよね。
松下 「スカーレット」の撮影中に、ヒロインの父親役の北村一輝さんが声をかけてくださって、マギーさん、遣都くんの4人で飲みに行った時に初めてお話しさせていただきました。マギーさん行きつけのおでん屋さんでしたね。
マギー そうそう。山椒のハイボールをずっと飲んでたな(笑)。あれ、美味いやろ?
松下 はい、とても美味しかったです。当時マギーさんは、僕のことを「誰やねん」と思っていたはずなのに、すごくいろんな話をしてくださったのを覚えています。
マギー 「松下洸平」という字面は、もちろん知っていたよ。舞台のチラシでよく見る、どうやら若くて結構本格的な役者がいるらしい、と。ただ、まだ顔と一致していなかった。「スカーレット」で、僕は洸平くんが演じた八郎の義父となる北村さんの親友役だった。あの日、北村さんから「今日、ハチも連れて行くわ」と聞いて、なんとなく近所のおっちゃんが品定めするような雰囲気になったよね。
松下 めちゃくちゃ緊張しましたもん(笑)。あの日は、お義父さんに初めて飲みに連れて行ってもらった日なんです。それまで、すごく嫌われてたんで(笑)。
マギー ははは(笑)。役の上でね。
松下 芝居の中で「ハチ、なんやお前、喜美子(ヒロイン)のことが好きなんか。近寄ってくるな」という感じなんですが、前室でも「なんでおんねん、どっか行け」「すいません」みたいな感じで(笑)。そんな中で、飲みに誘ってもらったので本当にうれしくて、泣きそうになりました(笑)。