きょう12日は、九州から北海道にかけて黄砂が観測され、広い範囲で視程が10キロメートル未満となっています。あす13日にかけて、北日本から西日本にかけて黄砂に注意が必要です。視程が5キロメートル未満となった場合、交通に影響が出るおそれがありますのでご注意ください。
九州から北海道にかけての広範囲に黄砂
きょう12日は、九州から北海道にかけて黄砂が観測され、広い範囲で視程が10キロメートル未満となっています。
午後5時30分までに黄砂を観測された場所での視程は、松江で5キロ、鳥取、京都、彦根、室蘭7キロ、鹿児島、大分、佐賀、福岡、岡山、福井、金沢、新潟、秋田、函館、釧路、稚内8キロ、熊本、長崎、下関、盛岡、青森、網走9キロ、松山10キロ、札幌、仙台、名古屋、大阪10キロ以上、富山11キロ、高松、広島12キロとなっています。
あす13日にかけて太平洋側にも黄砂 交通の影響などに注意
あす13日にかけて、関東や東海など太平洋側にも黄砂が飛来する予想です。
東京で黄砂が観測されれば、2021年以来、2年ぶりのことです。2021年は東京で10年ぶりに黄砂を観測しました(3月30日、31日、5月8日)。
4月に東京で黄砂が観測されれば、2007年以来、16年ぶりとなります。
あす13日にかけて、北日本から西日本にかけて黄砂に注意してください。視程が5キロメートル未満となった場合、交通に影響が出るおそれがあります。あす13日朝は、交通情報などに注意して、時間に余裕を持って行動をとると良さそうです。
黄砂はどこから? 影響は?
黄砂とは、中国大陸奥地のタクラマカン砂漠やゴビ砂漠などで舞い上がった砂ぼこりが、飛んでくる現象です。
黄砂は、上空の強い風によって、遠く離れた日本へも飛んできます。黄砂が最も多く観測されるのは、春(3~5月)で、時には、空が黄褐色に煙ることもあります。また、黄砂は秋に飛んでくることもあります。日本で、黄砂が観測される回数が多いのは西日本ですが、東日本や北日本など広い範囲で黄砂が飛ぶこともあるのです。
黄砂の影響は、量が少ないと、遠くの景色がぼんやりかすむ程度ですが、黄砂の量が増えるにつれて、車や洗濯物などが汚れてしまったり、小型航空機の運航に影響がでたりすることもあります。黄砂が予想される場合は、注意が必要です。
黄砂が体に与える影響
環境省によりますと、黄砂の飛来によって、以下のような呼吸器や循環器に係る疾患の症状の悪化が指摘されています。
①黄砂の飛来は、目や鼻、皮膚などのアレルギー症状との関連があり、目のかゆみ、結膜炎、鼻水やくしゃみなどを引き起こすことがあると報告されています。黄砂の濃度が高い日ほど、それらの症状が発症する方が多くなる傾向にあります。
②黄砂の飛来と、呼吸器疾患についての関連が報告されています。黄砂が飛来すると気道や目、皮膚症状の悪化が見られる場合があります。喘息など呼吸器疾患のある人はいっそう注意が必要です。呼吸器疾患のない人でも黄砂の濃度が高いほど咳が出ることが報告されています。
③黄砂の飛来と循環器疾患について関連がみられています。 黄砂の飛来と救急搬送数増加、脳梗塞での入院や心筋梗塞での入院、発症の増加との関連が報告されています。高齢者や糖尿病、慢性腎臓病等の既往歴がある方は、循環器疾患への影響リスクが高いため注意が必要です。