そしてSBI証券の「米ドル定期自動入金サービス」が画期的。提携銀行である住信SBIネット銀行の外貨普通預金口座にある米ドルを、毎月自動でSBI証券に手数料無料で入金できるようになった(2022年6月スタート)。

 住信SBIネット銀行は、為替手数料が他に比べて激安なことで有名だ。前述の通り、主要ネット証券は1ドルあたり25銭なのだが、住信SBIネット銀行は通常6銭、毎月定額を積み立てる「外貨積立」なら3銭とリーズナブル。※6銭、3銭は米ドルの場合

◆住信SBIネット銀行の「外貨積立」

◆住信SBIネット銀行×SBI証券の「米ドル定期自動入金サービス」

◆SBI証券の「米国株式・ETF定期買付サービス」

 これら三つのサービスを使うと、どうなるか?

(1)住信SBIネット銀行で「外貨積立」を使うと、円から米ドルに自動積み立て形式で両替できる。

(2)住信SBIネット銀行×SBI証券の「米ドル定期自動入金サービス」を使うと、毎月自動で住信SBIネット銀行からSBI証券に米ドルを入金してくれる。

(3)SBI証券で「米国株式・ETF定期買付サービス」を使うと、毎月自動で米国ETFを買い付けてくれる。

 もうお分かりだろう。住信SBIネット銀行に日本円さえ入れておけば、毎月完全自動で、しかも激安の為替手数料で、米国ETFを買えることになる。

(1)~(3)をいったん設定すれば、完全オートだ。 

 既述の通り米国ETFには分配金があり、出口戦略を考える必要も少ない。老後の取り崩し期に入れば、買い付けをストップして、分配金を生活費にあてればいい。つまり「生涯究極の」ほったらかし投資が可能になるというわけだ。

 どの金融商品に投資するにせよ、毎月コツコツと同じような金額を買い付けて、長期で保有するのは初心者でも失敗しにくい投資法。年月と複利を味方につけて、取り組むことをおすすめしたい。

 なお、前回記事では、日本株口座で売買が可能な東証ETFについて解説している。あわせて参考に。

※米国市場に上場しているETFは必ずしも「米国株オンリー」ではなく、シンガポールやインドの株などが組み込まれたETFもあります。そのためネット証券などでは「海外ETF」と表記されている場合が多いのですが、直感的にわかりやすくするため「米国ETF」と表記しました。また、本記事での日本円換算は1ドル=133円で計算しています。

<桶井道さんからお知らせ>

 2022年8月12日に桶井道さんの新刊『月20万円の不労所得を手に入れる! おけいどん式ほったらかし米国ETF入門』(宝島社)が発売。ビギナー向け・ETFの指南書です。

文/桶井 道 編集/中島晶子(AERA編集部)

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