オミクロンの感染拡大が全国で続いている。東京都では病床使用率が50%を超え、国会でも緊急事態宣言を出すか否か、議論が行われている。そんな中、改めて注目を集めている指標が、死亡者と重症者の割合だ。AERAdot.が独自に入手した資料によると、政府内でも各自治体の死亡者と重症者の割合に注目している。編集部でも都道府県の実態を調べると、死亡者・重症者を抑えられている自治体と、そうではない自治体の差が出てきていることが見えてきた。
【データ】驚きの結果 各都道府県の死亡者・重症者の比較はコチラ(2枚)
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「第6波になって改めて自治体間で差が出てきた」
こういうのは官邸関係者だ。岸田政権になり、コロナ対策の具体的な施策は「各自治体の判断」「各知事の判断」というものが増加しているという。24日に厚労省から各自治体などに出された「検査なしで陽性判断できる」とする通知にも、「自治体の判断で対応可能」と書かれていた。
「自治体へ丸投げ」しているという不満の声も出てきているが、この結果、死亡者や重症者の割合について、各都道府県で差が出てきているという。官邸関係者はこう語る。
「自治体や知事の判断が増加したことで、各自治体で死亡率などにどれだけ格差があるのか、また、その要因としてどれだけ対策に格差があるのかを見ています。例えば、東京は人口密度も高く感染者数が多くて危険と思いきや、実は死者数の割合は大阪の半分以下に収まっている。どの自治体で対策が出来ているのか、反対にできていないのかも見えてきています」
AERAdot.ではこの政府資料を独自に入手した。編集部で調べたデータとともに、いったいどのような状況になっているのか見てみよう。
表にまとめたのが、今年1月以降、第6波時の各自治体の死亡者数と重症者数の割合(数字はいずれも人口100万人当たり、1月27日時点)だ。死亡者数の割合が高い自治体から順に並べている。全国平均は2・0人で、17番目の香川2・1人、18番目の福岡県・京都府1・9人が平均付近に位置している。