雪山の小屋では灯油ポンプを使って血液を吸引。ホテルのバックヤードでは、工具のドリルで開頭手術。創意工夫のオペ用器具、ここは「DASH島」か! 「0円食堂」ならぬ「0円手術」だし。
なんならTOKIOの松岡昌宏も出てるのだ。藤木に妹を殺されたと思い込み復讐(ふくしゅう)の鬼と化す元自衛官・八神拓郎(松岡)。しかし松岡の登場はコントコーナー開始の合図?
やたらオラオラ大暴れしつつ、股間つぶされて悶絶(もんぜつ)し、事件の鍵を握る都波教授(酒向芳)を腹巻き&もも引き姿でコタツに縛り付ける。必要なのか、そのコント。
そしてバイオベンチャーのフェロー(研究者)・佐々木役のヤスケンこと安田顕が出てくれば変態の合図。部下の女性の涙をすすり、ほっぺたベロ~ッとなめあげる。
執行役員役・前田敦子に隙あらば「フェロー(限りなくいやらしい発音で)」と、言わせたがる。必要なのか、その変態。いやこれはヤスケンだもの、あってよし。
コントと変態ととんちき手術のマリアージュ。ドラマというよりバラエティー。「逃亡医F」のFは「ふざけてる」のF?
カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など
※週刊朝日 2022年3月4日号