子宮体がんはIII、IV期でも遠隔転移がなければ手術ができることが多い。ただし、子宮体がんの腹腔鏡手術はがんが子宮体部にとどまっているI期まで。がんの広がりが子宮筋層の2分の1未満、細胞の分類で悪性度が低い高分化型か中等度分化型が対象だ。大阪医科薬科大学病院の大道正英医師は言う。
「腹腔鏡手術の適応であればロボット支援手術もできます。手に比べ、鉗子が自由に動かせるロボット支援手術は、特に肥満の人の手術に向いています」
■卵巣がんはどのステージでも手術を選択するのが基本
早期であれば妊孕性温存治療として、「黄体ホルモン療法」が選択肢として可能。子宮体がんの原因となるエストロゲンを抑える働きがある黄体ホルモンを服用する治療だ。
「子宮内膜にとどまっていている類内膜腺がんの患者さんが対象で、病理組織検査などを実施した上で、適応を判断します。世界的には妊娠率が約60%。ただし再発率も40%と高いので、しっかり経過観察をする必要があります」(大道医師)
卵巣がんは進行したIII、IV期で見つかることが多いが、腹部にがんが広がっている場合も、できるだけ腫瘍を取り除く「減量手術」を実施する。目に見える腫瘍がなくなれば予後がいいことがわかっている。
「消化器外科医と連携しておこなうなど大がかりな手術で、病院により取り組む姿勢に差があります。セカンドオピニオンを取り、慎重に治療先を検討することをすすめます」(齋藤医師)
早期の場合、がんのない側の卵巣と子宮を残す「妊孕性温存術」が可能なこともある。
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「手術数でわかるいい病院」https://dot.asahi.com/goodhospital/
【取材した医師】
大阪医科薬科大学病院 産婦人科教授 大道正英 医師
札幌医科大学病院 婦人科教授 齋藤 豪 医師
(文/狩生聖子)
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