――年齢を重ねて「自分の好きなところ」に変化は生じたかと尋ねると、柔らかい笑顔になった。

相葉:いい意味で、自分にそんなに期待はしていないんです。失敗できないような場面でも、緊張はしつつ、「そもそも自分は求められることすべてを完璧にできるような人じゃないから」と思っている(笑)。緊張を少しでも和らげるために、万全の準備や努力はします。コツコツ積み重ねることが一番強いことも知っています。でも、最終的にはどこかでそう思っていて、そんな自分だからいいのかもしれません。変化して得たものというよりは、昔から変わらないところです。

■同じ空間にいられる

――劇場では久々に直接ファンと顔を合わせる。そんな場所がうれしいという。

相葉:自分のモチベーションとしても、そこはすごく大きいんです。(嵐は)休止中だからライブはないし、コロナ禍で番組の観覧もほぼない状態です。そんな状態が長かったから、単純にファンの皆さんと会えること自体が久しぶりなんです。同じ空間にいられて、その中で舞台ができる。いま、そんな場所を作ることができて本当にうれしい。ファンの皆さんも待ってくれていると思いますけど、僕はそれ以上に待っているので。きっといい作品にします。

(ライター・大道絵里子)

AERA 2022年5月30日号