先ほど田中先生が地球の持続可能性の話をおっしゃいました。私も同感です。人類的な危機の中、戦争なんてやっている場合なのか。戦争は始まらないように防ぐ。いったん起きたら、拡大させずすぐ止める。これが絶対に必要な大原則です。
■「思い込み」を崩す必要
田中:「何よりもまず停戦交渉に入ること」がいかに重要なことか。様々な方法で広く伝えていくことが必要です。
そのときに乗り越えなくてはならないものがあります。私たちの中にある、「あちら側(ロシアという専制国家)=悪」「こちら側(ウクライナを支持する日本や西側諸国)=善」といった「思い込み」です。
戦争や暴力という行為が絶対悪なのであって、誰が、どこの国がやろうと戦争や暴力は悪であり、止めなければならないはず。思い込みを同時に崩していかないと「まずは停戦」も賛同を得られない。そのためにも「地球がどういう状況になっているか」という現実を見つめてもらい、「地球の持続可能性を邪魔するものは即、止める」という視点を持ってもらう努力も必要だと思います。
(構成/編集部・小長光哲郎)
※AERA 2022年6月13日号