「(先輩に当たる)水谷選手は、自分と同じく青森山田高校から明治大学に進学し、結果を残してこられた。水谷選手への憧れもあり、明治大学には卓球界で活躍する偉大な先輩方がたくさんいたので、それに続きたいという思いで競技に打ち込んできた」(大学ウェブサイト2021年8月25日)

 青森山田高校→明治大というコースが、卓球でメダル3個をもたらした。

●5位=至学館大、3個
 レスリング女子で4人の代表が選ばれ、うち川井梨紗子さんと川井友香子さんの姉妹、向田真優さんの3人が金メダリストとなった。金メダル獲得率75%は他大学を圧倒する。金メダルだけに絞ってみると、獲得ランキング1位は3個の至学館大と日本体育大である。大学スポーツ界でトップを極めたといっていい。

 なお、川井さん姉妹は至学館高校出身である。至学館高校、至学館大学レスリング部というコースでは伊調馨さん、登坂絵莉さん、土性沙羅さんが、オリンピックで金メダルをとっている(前身の中京女子大附属高校、中京女子大を含む)。

●5位=東洋大、3個
 大橋悠依さんが競泳200m個人メドレーと400m個人メドレーで金メダリストとなった。大橋さんの活躍の背景には、東洋大水泳部の指導者で、競泳日本代表の監督も務める平井伯昌コーチの存在も大きい。2大会連続2冠の北島康介さんを指導した名伯楽だ。

 池田向希さんは陸上20km競歩で銀を獲得した。池田さんがオリンピック代表に決まったのは昨年3月15日である。その9日後、大会延期が発表された。当時、筆者は池田さんにこのときの様子をたずねた。次のように答えてくれた。

「代表内定をもらった直後だったので、どう受け止めていいかわからず動揺しました。今年を目標に練習していたので、くやしかったですね。ただ、すぐにコーチから連絡が入って『大会延期の期間で、実力がさらに伸ばせる』と激励されました。19年の世界選手権は6位で勝ちきれなかったため、自分に足りないところを埋める、弱点を克服するチャンスだと思い、1年後を見据えた準備に取り組んでいます」

 実力をしっかり伸ばし、銀メダリストとなった。

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