富士山を望む街で暴れるゴジラのジオラマ TM & (c)TOHO CO., LTD. (c)特撮のDNA製作委員会
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 幼少期に心躍らせた特撮映画やドラマ。ゴジラ、モスラ、キングギドラなどさまざまな怪獣たちが誕生した。実際に撮影で用いられたものなど貴重な資料が富士山麓に集結した!

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 精巧なミニチュアや着ぐるみなどを駆使し、迫力ある映像を作り出す「特撮(特殊技術撮影)」は日本で独自の発展を遂げ、「ゴジラ」をはじめとした、数多くの名作を生み出してきた。

右から「メカゴジラの逆襲」(1975)、「ゴジラVSメカゴジラ」(1993)、「ゴジラ×メカゴジラ」(2002)のメカゴジラが勢揃い。 TM & (c)TOHO CO., LTD. (c)特撮のDNA製作委員会

 今でこそCG技術の進歩により、リアルな映像を作り出すことが可能になった。しかし、「誰も見たことがない映像を作る」という熱意を持った特技監督、造形師などの手による作品は、今もなお人々を魅了する力を持っている。

天井高を生かして、歴代のモスラを吊るして展示。「レインボーモスラ」(撮影用オリジナル)は背後に回って観察することもできる。 TM & (c)TOHO CO., LTD. (c)特撮のDNA製作委員会

 現在、山梨県立博物館で開催中の「特撮のDNA」展では、日本が世界に誇る怪獣たちの貴重な資料約200点を展示。撮影で実際に使われた怪獣のミニチュアや小道具などを間近に見ることができ、その精巧さに圧倒される。

同作の完成イメージを絵にした「ピクトリアル・スケッチ」 TM & (c)TOHO CO., LTD. (c)特撮のDNA製作委員会

 ほとんどの作品は撮影が可能で、来場者の多くがスマートフォンで撮影をしていた。特撮映画をリアルタイムで見ていた年配の人から、これらの怪獣を知らない少年少女まで、みな目を輝かせて楽しそうに展示物を鑑賞していた。(取材・文/吉川明子)

山梨県立博物館所蔵の「冨嶽三十六景 凱風快晴」を背景にしたゴジラ。 TM & (c)TOHO CO., LTD. (c)特撮のDNA製作委員会

週刊朝日  2021年8月13日号

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