各地で自治体の首長が高齢者よりも先んじてワクチン接種をしていることが判明し、賛否両論が起きている。では都道府県知事の接種状況はどうなのか。AERA dot.編集部では都道府県に緊急アンケートを行った。打っていない知事はなぜ打たないのか。一方で、打った知事はなぜ打ったのか――その理由を聞いた。
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茨城県城里町の42歳の町長が高齢者よりも先にワクチンを接種していたことを12日、AERA dot.が特報した。その後も各地の首長が住民に先んじて接種していることが報道されている。首長らは「私も医療従事者」「廃棄予定だった分を有効活用した」などと説明した。
ワクチン接種の優先順位は政府から示されている。まずは医療従事者など、次に65歳以上の高齢者、そして基礎疾患を有する者、高齢者施設等の従事者となっている。それ以外の人はそのあとだ。
基本的に自治体のトップもこの優先順位に従って打つことになる。しかし、キャンセルなどで余ったワクチンをどう活用するか、医療従事者の対象範囲を危機管理のトップである首長まで含めるのか、というのは自治体の判断に任せられている。
こうしたこともあり、自治体のトップが打つべきなのか、そうでないのかについては、賛否両論ある。
元全国知事会長で前京都府知事の山田啓二氏はこう語る。
「首長は住民の代表。責任ある立場であり、率先して接種を受けることは全く問題ない。問題なのは隠れて打ったり、言い訳のようなことを言ったりすること。『医療関係者だから』とか『余ったから』などと聞くと、住民のほうも違和感を覚えるし、後ろめたさがあるようにも聞こえる。打つことの立場や理由を明確にして、公に堂々と打てばいい」
各都道府県のトップである知事の接種状況はどうなのか。AERA dot.編集部では47都道府県の知事に対して、知事本人が新型コロナウイルスのワクチンを接種したかに関して緊急のアンケート調査を行った。質問は(1)ワクチンを接種したかどうか、(2)接種した/していない理由、(3)接種した場合はいつか、の3つだ。