●1つの習慣「子どもに教えてもらう」
「教えることは、二度学ぶことである」というフランスの思想家ジュベールの言葉にあるように、私たちは人に教えることで、自分の理解不足に気づいたり、あらためて理解を深めたりします。
人に教えるときには「話す」「書く」という動作をともないますが、これは「読む」「聞く」といった動作にくらべ、脳に記憶を定着しやすくするといわれています。
ワシントン大学の心理脳科学者、ジョン・ネストイコ博士は、教えるという「心がまえ」があるだけで、学習効率がよくなるといっています。
彼の実験では、被験者を2つのグループに分け、第1グループには「後で、覚えた情報をテストする」と伝え、第2グループには「後で、覚えたことを別の人に教えてもらう」と伝え、同じ学習をさせました。
実際には、両方のグループが同じテストを受けたのですが、結果は第2グループのほうが良い成績でした。
私たちは「自分が学んだことを誰かに教えなければならない」と自覚すると、新しい情報を吸収する能力が高くなります。つまり、子どもも人に教えることを習慣にすれば、学習効率がアップし、知識の定着が期待できるのです。
では、子どもにうまく教えてもらうにはどうすればよいでしょうか?
●子どもに質問する
子どもが取り組んでいる問題を一緒に見ながら、「これってどうやって解くの?」と聞いてみます。答えを聞いても、ちょっとわからないふりをして、さらにくわしく質問してみるのも効果的です。
なぜそうなのかが説明できているかどうかに注意しながら、質問を重ねていきます。