
放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回は、『焼肉 うし松』を取り上げる。
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芸能人がもっとも利用する飲食のジャンルといえば、間違いなく焼き肉店だろう。なかでも西麻布界隈は有名人御用達の焼き肉店の最激戦区。以前は六本木通りと外苑西通りの西麻布交差点付近のみだったのだが、いまは星条旗通りや広尾方面に少し歩いて行った辺りまで、そのエリアがどんどん広がっている。

2020年1月にオープンし、予約開始わずか1日で2カ月待ちを記録したという話題が業界を駆け巡った『焼肉 うし松』も、そんな一軒だ。
年間300食は焼き肉を食べ歩くという仕入れ担当者が全国の仲卸業者に弟子入り。「本当においしい和牛をおいしい状態で食べてもらいたい」という店主と共に納得したものだけを仕入れ、試作と試食を繰り返して完成させたメニューとコースの話は、すぐに芸能界の焼き肉通の元へ届いた。
果たして、広報担当者が「多すぎて思い出せない」というほど多くのテレビ番組で芸能人が「行きつけの店」として紹介し、約2年半が経った。
その芸能人というのが、まずは『寺門ジモンの肉専門チャンネル』(フジテレビONE)なる冠番組をもち、「牛肉の話で俺より詳しい人に会ったことがない」と豪語する寺門ジモンさん。さらには「お肉を焼くのが世界で一番好きな作業。バイオリン弾くより好き」と断言する高嶋ちさ子さんというツートップである。
さらに、元・乃木坂46の白石麻衣さんや、モデルで、最近はコメンテーターとしても活躍している、みちょぱさんが、ゲスト出演した番組で『うし松』を紹介している。