
丸山茂樹氏が、全米オープンでの松山英樹選手の活躍を語る。
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今シーズンの海外メジャー第3戦「全米オープン」(6月16~19日、米マサチューセッツ州ブルックラインのザ・カントリークラブ)で、松山英樹(30)は最終日に今大会ベストスコアの65で回り、17位から4位まで上げました。
最終日にあのゴルフに持っていける何かを持ってるんですよね。それは僕らのころにはなかった世界なので、彼がそういうことを、そのうち伝えていくようになるんじゃないかと思いますね。それぐらい飛び抜けた世界に行ってますよ。
しかも3日目にバーディーが一つもとれなくて厳しい状況の中、何とか2ボギーで切り抜けた上での出来事ですから。そういう我慢というか忍耐が、最終日につながっているのか。その中で彼が何を得てつかんで、最終日にそれがうまくぶつかっていってるのか。
それもね、最終日も出だしの何ホールかは、そんなに気持ちよくスタートしてるわけじゃないんですよ。左に曲がりながら、アプローチとパッティングでこらえて。そこから自分で上昇気流に乗る。一流プレーヤーの中でも、そういう能力はずば抜けてるのかなと感じさせられました。
ラウンド後のインタビューでは、珍しくおどけた表情も見られました。そりゃ、4日間通じてのベストスコアですから。週末の3日目、最終日で計2ボギーしか打ってないっていう。まあちょっと、とてつもないゴルフですよ。
サウジアラビアが資金提供する新リーグの「リブゴルフ・インビテーショナル・シリーズ」の初戦から全米オープンに回った選手たちは、とても静かに1週間を過ごしたみたいですね。
でもリブゴルフのCEOであるグレッグ・ノーマン(67)は、いろいろ仕掛けてくると思いますよ。すでに「PGAツアーのトーナメントを主催する企業のうち23社がサウジと取引をしている」なんて話を出してきてますので。