米国でも手軽にステーキが食べられる文化をつくりたいと豪語し、ニューヨークで急速に出店を進めるステーキ専門チェーン「いきなり!ステーキ」。日本に続き米国でも「快進撃」と評されるが、実際は「悪戦苦闘」のさなかにある。(「週刊ダイヤモンド」編集部 山本 輝)
「米国? まだまだ厳しいですよ」。ステーキ専門チェーン「いきなり!ステーキ」を展開するペッパーフードサービスは、わずか1年半で米国のニューヨーク(NY)に9店舗を出店した。日本に続き米国でも快進撃をしているように映るが、同社の幹部の言葉には苦悩がにじみ出る。
日本国内では破竹の勢いで店舗数を拡大し、今年に入り93店舗を新規出店、6月末時点で全国に277店舗を展開する。次の成長軸として狙う米国では2017年2月にNYに1号店、同年12月に2号店を開店。さらに、今年8月までのわずか半年で一気に9店舗を出店した。
米国でも勢いを見せるが、実は1号店オープン時に、一瀬邦夫社長は17年のうちに10店舗の開店を目指すことを宣言していた。NYに11店舗を展開することは既定路線。出店ペースはこの当初計画よりもむしろ遅れている。
米国進出は「順風満帆」ではなく、「悪戦苦闘」のさなかにある。