
夢が持ちづらい時代に
この世界を生きるのは良いことばかりではなく、むしろつらいことの方が目立ちます。夢を追うことをバカにするような声が上がることもあります。ヨウが地球のことを「絶望にあふれている」と称すセリフがありますが、心からの素直な気持ちだと感じました。「巡星」の「クラウドの切れ間にそっと飛び込んでいけ」という歌詞には、夢が持ちづらい時代において、この曲を聴いてくれた人が一歩踏み出せるような勇気を込めました。思い切って飛び込んで輝いてほしいという思いがあります。
──JO1を軸にした多彩な活動の根底にも同じような思いがある。
僕の活動を見て元気を出してくれたり、「頑張ってみよう」と思ってくれる人がいるのは本当に幸せなことです。常に誰かのためになることを意識して活動しています。
僕の家族は何よりも僕の活躍を喜んでくれます。僕の背中を見て夢を目指している幼なじみもいます。近しい人を幸せにできない人が何千何万の人を幸せにできるわけがないですし、今の僕は周りの人を幸せにできている実感があるからこそファンの方々も幸せにできる自信があります。逆に言うと、周りの人を幸せにできている実感がなかったらどこかで辞めていたでしょう。
「次はあなたの番」
──JO1の初の東京ドームでは「みんなもいろいろな夢を持っていると思うけど、自分は先に夢を叶えた。次はあなたの番」と口にした。
ファンの皆さんと、ライブに来てくれていた幼なじみに向けて言った言葉でもあります。新たなことをやることはすごく怖いですし、リスクもあります。でも僕は背中を見せていかなければいけません。そうしなければ、ファンの方々や僕の背中を見てくれている友達や後輩に対して「何をやっているんだ」という気持ちになってしまう。今の僕があるのはその人たちのおかげなのでやるしかないんです。
──初の声優と主題歌の作詞・作曲・歌唱を経て、これから挑戦したいことは何なのだろうか。
もっと個人の楽曲も出したいです。最近韓国コスメのMISSHAのアンバサダーに就任したことでコスメへの興味が増していますし、もともとファッションが好きなので単独でブランドアンバサダーもやってみたい。新しいことをやっていかないとJO1は広がっていきません。僕が先陣を切ってグループを知ってもらうきっかけをたくさん作っていきたいです。
(ライター・小松香里)
※AERA 2025年8月25日号
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