
グローバルボーイズグループ、JO1の白岩瑠姫が映画「アズワン/AS ONE」で初めて声優に挑んだ。主題歌の作詞・作曲・歌唱も担った本作への想いを語った。AERA 2025年8月25日号より。
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──白岩が声をあてたのは親にミュージシャンになることを反対されている高校生・ヨウ。バンド仲間との関係性にも悩み、自らの将来を決めかねている。
ヨウは友達や家族との人間関係に悩んでいて、ミュージシャンになるという夢に向かって力強く歩むことができていません。でもすごく穏やかで優しい少年なので、普段の自分より少しソフトに話すよう意識しました。後半になるにつれて自信がついて、自分を大切にすることの重要さにも気付くので、意志が前に出るよう強めに話すようにしました。
トーンの調整や抑揚の付け方が実写のお芝居とは全く別ものですごく難しかったです。特に苦労したのが台本には書かれていないセリフとセリフの間のお芝居です。例えば走っている時に自分がどんな息遣いをしているか、これまで意識したことはありませんでした。制作陣の方々にディレクションをしていただきながら、できることをやったつもりです。
自分が思うがままに
──今作のオファーのきっかけは、白岩が作詞・作曲したソロ楽曲「ひまわり」のミュージックビデオを見た映画の制作陣がヨウに合うと思ったから。主演だけでなく、主題歌「巡星」の作詞・作曲・歌唱も担った。
僕も学生時代にバンドを組んで曲作りをしていたので、ヨウが歌詞を書いては消してということを繰り返すシーンは共感しました。音楽に対する思いが重なる部分がとても多かった。エンドロールで流れる「巡星」は自分が思うがままに歌いましたが、劇中でヨウとして「巡星」を歌う時は、ヨウの少し優しくソフトな声質を意識しながらも、もがき苦しんでいる様が出るよう歌いました。夢を叶えていないし100%の自信もないヨウに対して、エンドロールはエネルギーがみなぎっている自分というイメージです。普段からJO1として歌う時とソロ曲を歌う時では歌唱法を使い分けていることもあって、そこまで苦労せずに歌い分けができました。
──ヨウが社会に対して希望を失ってしまっているところや、登場人物それぞれの美学や正義がぶつかる様にも共感したという。
JO1は11人グループです。それぞれ好みややりたい曲が違うので、ライブのセットリストや演出などを決める際に全員で話し合っても全員が納得する内容にはなりません。でもそれぞれの正義があるのでどの案も正解です。昔は自分の考えや美学に反することには否定から入っていたのですが、JO1の活動を通して人それぞれの美学を否定したくないし、それぞれが正解だと思うようになりました。