リフレクション紅葉も「予約」できる

例えば、フォトジェニックなリフレクション紅葉が有名な「瑠璃光院(光明寺)」は 2025年11月8日から12月7日が抽選による事前予約制。往復はがきでのみ応募でき、9月1日が応募締め切り(消印有効)なので、注意が必要だ。比叡山の麓にある明治期の元勲・三条実美ゆかりの名刹(めいさつ)で、1万2000坪の敷地には、数寄屋造りの名工と言われる中村外二が改築した数寄屋風書院が佇む。磨き込まれた書院2階の床や机に赤や黄の鮮やかな紅葉が映し出される様は、思わず時を忘れて見入ってしまう美しさ。これをゆったりと眺めたいなら、まずは事前予約に応募したい。

鞍馬の山中にある、老舗アパレルメーカーのプライベート庭園で、春と秋の期間限定で公開される「白龍園」も予約可能なスポットの一つ。この記事の公開時点で2025年秋の特別公開期間は発表されていないが、事前予約制かつ入れ替え制なので、どの時間帯でもゆったりと美しい庭が楽しめる。燃えるように赤いカエデを眺めつつ、点在する東屋や野だて傘でひと息つくことができ、苔に舞い散る紅葉も見逃せない。
人気の「額縁庭園」も「丸窓」も予約制

徳川家康が開いた学問所がルーツの寺院「圓光寺」も、秋の特別拝観期間は予約制。2025年は11月10日から12月10日の予定で、公式ホームページで予約できる。竹林に囲まれた池泉回遊式の十牛之庭は、緑の苔庭に約200本の紅葉が錦の彩りを添え、書院から眺めれば見事な額縁庭園となる。散りもみじも美しく、点在するわらべ地蔵が紅葉に埋もれる愛らしい姿も人気が高い。

もう一つ、染色家・奥田祐斎氏の作品を展示する染色アートギャラリー「嵐山祐斎亭」も予約制。亀山上皇の離宮・亀山殿跡に建てられた元料理旅館で、川端康成が滞在した部屋や、大堰川を望む「丸窓の部屋」、本物の水を張ったテーブル「水鏡」の部屋など、変化に富んだ紅葉美をじっくり堪能できる。