連日、大盛況の大阪・関西万博。会場のあちこちで目にするのが、赤と青のからだにいくつもの目がついた不思議な生き物、公式キャラクターの「ミャクミャク」です。その見慣れないビジュアルに、はじめのうちは少々“引かれ気味”だったミャクミャク。ところがじわじわと注目を集め、今では子どもから大人まで大人気! さまざまなグッズも登場し、今では大阪・関西万博を代表する存在です。公式キャラクターのデザイン作者、デザイナー・絵本作家の山下浩平さんに、ミャクミャク誕生の裏側を聞いてみました。※後半<万博キャラ「ミャクミャク」デザイナーが語る子どもの”好き”の伸ばし方「僕は小5のときに絵で食べていこうと決めた」>に続く
次々に登場するミャクミャクグッズ。特に人気なのは……?キャラクターの一般公募に応募して
――ミャクミャクのキャラクターデザインにこめた思いを教えてください。
「ロゴマーク」「キャラクターデザイン」「名前」は、それぞれが一般公募で選ばれ、考案者も別々です。まず、公式ロゴマークが先に決まって、次に公募されたのが公式キャラクターデザインです。僕は、ここでキャラクターデザインを考えて応募しました。
あの赤いロゴマークを見たときに「すごい、おもしろいな」と感銘を受けたんです。キャラクターデザインに求められるさまざまな条件の中であのロゴマークを生かすには、そのまま「顔」にするのがいちばんいいと思いました。そこで、なにも足し引きせずに角度だけ少し変えて、上にくる目の位置だけを調整したんです。
体は、「水の都・大阪」を思い出して青い水にしました。「形が変わるキャラクター」をイメージしていたので、変化できる水がぴったりハマったのです。よく見ると、腕からしずくが落ちているんですよ。
そして、ミャクミャクのメインのポーズ、両手を顔にあてているポーズには「顔を見て」というメッセージを込めています。そうだ、あまり知られていないのですが、ミャクミャクの足の裏って四角いんです。僕が好きなクレイアニメのキャラクターの足の裏が四角いのですが、そこを意識しています。
――細かいところまでユニークな設定があるのですね。
本当にたくさんのラフを描いたのですが、最終的に6種類くらいに変化するキャラクターとして応募して、採用が決まりました。
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