八木亜希子アナ(写真:Pasya/アフロ)
八木亜希子アナ(写真:Pasya/アフロ)

入社後の初仕事で「バニーガールの格好してきて」

 また、「花の三人娘」と呼ばれた有賀さんや河野アナ、八木アナに対しても出演していたバラエティー番組では過激な演出がなされ、彼女たちが体を張る場面も少なくなかった。前出の放送作家が続ける。

「当時はフジの人気女性アナを題材にした書籍やビデオマガジンがリリースされていましたが、87年と91年に発行された『アナ本』と『アナ本2』という本では有賀さんと河野さん、八木さんによる書き下ろし恋愛小説が掲載され、表紙には胸を半分露出した写真も掲載されていました。さらに、本の中では八木さんが入社後の初仕事となるゴルフ大会のプレゼンターにバニーガールの格好をしてくるように指示され、ゴルフウェアに変えてもらうように交渉したことを述懐したり、有賀さんが当時のアナウンス部の上司から『おはよう』のあいさつとともに肩を抱き寄せられていたことなどがつづられています。『アナ本』シリーズはフジテレビ出版が発売していたことを鑑みても、今なら完全にセクハラと言える不適切な行為を局サイドが意に介していなかったことが推察されます」

 次第に世間はセクハラに厳しい目を向けるようになるが、フジによる自局の女性アナに対する扱いは、2000年代に入ってからも変わらなかった。

 01年に入社した高島彩アナや翌02年入社の中野美奈子アナも当時のアイドルアナとして番組内で過激な“洗礼”を受けている。番組制作会社のスタッフはこう振り返る。

「高島さんは『とんねるずのみなさんのおかげでした』で石橋貴明さんに激しく抱きつかれたりしていました。コントの中での一幕ではありますが、今なら問題になってもおかしくないでしょう。中野さんに関しては若手アナだった時に出演した深夜番組の『音箱登龍門』で下ネタっぽい発言を口にさせて番組スタッフが大喜びする演出がありました。さらに07年放送の新春特番の『かくし芸大会』ではミニスカ姿で出演。ボウリングのレーンに横たわらされた揚げ句、共演するタレントの投げたボールをかわす際にスカートの奧がチラチラと見えると、実況を務めた先輩アナが『お~っと、お年玉か!』と叫んであおっていました。ここまでいくともはや番組サイドによる確信犯ですね」

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