「責任をもって学生を育てるためにも、どんな学びなのか、見える化することが重要。学部ごとの専門性を高めることで、幅広い教養と高度な専門性を身につけた人材を養成していきたいと思っています」(篠原学長)
教育ジャーナリストの石原賢一さんは言う。
「いまの女子大の姿は、10年後の共学大の姿です。共学大でも募集停止のニュースが出てくるようになるでしょう」
文科省によると、10年後の2035年から、18歳人口は急激に減少して、今年生まれた子どもが入学する頃には、現在から3割も少なくなる見通しだ。
「知名度があり安泰とされる大学も一部ありますが、これからは女子大も共学大も、工夫をしなければ淘汰される時代になります。その淘汰は、偏差値の順に起こるわけではないと思います」(石原さん)
有名大学でも、学びが時代遅れなら選ばれなくなる。
「就職市場がますます売り手市場になるなかで、就職率、満足度以外の特色を打ち出す必要があります。社会で通用する『実利』のある学び、学生の興味を引く『面白さ』がより重要になっていきます。ゲームやアニメ関連といった専門学校の発想を参考に、いままでの大学にない学問を作る発想も必要でしょう」(同)
何を学べるかを示せなければ選ばれない時代は、既に始まっている。
(AERA編集部 井上有紀子)
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