
アニメ、漫画など、日本のポップカルチャーを盛り上げていくためのファンイベント「アニメボストン」。2003年から毎年、米国のマサチューセッツ州ボストンで開かれ、多くのコスプレーヤーが集結することでも知られる。ファッションデザイナーのドン小西さんがチェックした。
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今回は変わりダネ。「アニメボストン」だよ。世界中からアニメファンが米国ボストンに集まるイベント。コスプレーヤーたちの晴れ舞台としても有名だよね。しかし、こうして愛するキャラクターになりきる人であふれた会場を見ると、つくづくコスプレってファッションの基本だね。

そもそもファッションっていうのは、個性を表現するためのもののはずだろ。なのに、ずいぶん変わってきたよね。売られているのは大衆ウケする服ばかり。買うほうも変わったよ。昔は個性を出そうと目立ってナンボの服が売れたのに、今はなるべく目立たない服から買われていくもんな。
そう考えるとコスプレは、本来のファッションの精神が残る貴重な存在。着るもので自分を自由自在に表現する、かつてのファッションそのものだよ。たださ、いまだにそのスピリットが、ファッション界に還元されてないのはどうなの? ただのヘンなイベントに終わらず、いつかファッションと呼ばれる日を待ってます。
■評価は……?(※満点は5DONです)
4DON! 「妙な祭りで終わらぬ期待を込めて!」
(構成/福光恵)
※週刊朝日 2023年4月28日号