都道府県別年収ランキング 1~10位

 大阪府は10位(407万円)でなんとかトップ10入りとなった。

「関西は昔から商業都市で、地場の中小企業、BtoC企業が残っていますが、大企業の本社機能は東京に移転しているケースもあります。大企業で年収の高い管理企画ポジションは東京に出ている背景があると思っています」

 年収の額を大きさ順に並べたときに真ん中にくる「中央値」は380万円だった。30位の愛媛県、31位の和歌山県あたりが中央値に位置する。

 平均年収が低いのはどこか。

 47位は高知県(355万円)、46位が沖縄県(359万円)、45位が鳥取県(364万円)、43位が新潟県と鹿児島県(368万円)、42位が佐賀県(369万円)、41位が山形県(370万円)だ。

「労働人口とその職種とのバランスの問題です。全国の就職市場は今、売り手市場ですが、特に沖縄県は慢性的に有効求人倍率が低い。働きたいけど、働けない人もまだまだいるエリアです。産業構造的に、年収が高い職種、業種が多くないと想像できます」

 地域間格差は徐々に広がっている。

 24年の1位東京都(471万円)と47位高知県(355万円)の差は116万円だが、17年の1位東京都(452万円)と47位沖縄県(356万円)の間は96万円だった。

 この7年間で、東京都は19万円上がったが、沖縄県は3万円、新潟県は6万円、佐賀県は8万円しか上がっていない。

むしろ高知県は24万円ダウン、鳥取県も22万円ダウン、山形県も14万円ダウン、鹿児島県は1万円ダウンだった。

「コンサルなどの専門職は年収600万円超、企画職は500万円超です。こうした平均年収全体を引き上げる職種が、都心や首都圏に集中しているため、それ以外の地域との格差が広がっていると考えます」

 このランキングでは、地域ごとの生涯賃金も出している。1位は関東で2億3952万円。東海が2億1497万円、関西2億1129万円と続く。最も低いのは九州・沖縄の1億9309万円で、関東との差は4643万円だった。

生涯賃金比較

(AERA編集部 井上有紀子)

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