田中美佐子(写真:西村尚己/アフロ)
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 現在放送中のドラマ『対岸の家事』(TBS系)で、主人公の心を支える母親的存在のご近所さん役を好演している女優の田中美佐子(65)。そのリアルな演技がSNSでも話題となっているが、テレビ情報誌の編集者が「古き良き“近所にいる中年女性”を表現するのがうまい」と語るように、自然な演技が視聴者に受け入れられているのだろう。

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 もっとも、1990年代は“トレンディー女優”の一人として数々のドラマで活躍した田中。「Age35,恋しくて」(フジテレビ系)や「予備校ブギ」「十年愛」「セカンド・チャンス」(いずれもTBS系)などの人気ドラマに出演し、女優として一世を風靡した。前出のテレビ情報誌の編集者はこう話す。

「実は田中さんは“遅咲き”なんです。短大在学中から劇団に所属し、1982年に映画『ダイアモンドは傷つかない』で初主演し、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞しました。最初は華々しいスタートを切ったものの、20代の間は今一つハネず、ブレークしたのは30代になってからでした。トレンディー女優として花開いてからは、かわいらしさと色気を備えた自立した女性というイメージで人気を博しました。90年代、人気お見合い番組『ねるとん紅鯨団』で、男性出演者の多くが理想の女性に彼女の名前を挙げていたのも印象的でした」

 実際にモテまくっていたようで、当時は本人も「恋多き女」で共演した俳優をすぐに好きになってしまうと回想していたこともある(「人生最高のレストラン」2017年9月23日放送)。また「ぽかぽか」(フジテレビ系、23年10月2日放送)では、ときめいた共演俳優の名前を実名告白。宅麻伸や三上博史、柏原崇の名前をあげて話題になった。しかし、田中は人気絶頂の1995年に、当時無名のお笑いコンビだったTake2の深沢邦之に逆プロポーズして結婚、格差婚と話題になった。そして2002年に1児をもうけた後は一時活動を休止、その後も長らく女優としての活動はセーブ状態が続いた。

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