
物価高や円安、金利など、刻々と変わる私たちの経済環境。この連載では、お金に縛られすぎず、日々の暮らしの“味方”になれるような、経済の新たな“見方”を示します。 AERA 2025年3月31日号より。
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最近、芸人がオンラインカジノへの参加が原因で活動を自粛するケースが増えているが、初めてニュースを見たときに「オンラインカジノって違法だったの?」と驚いた人も多いのではないだろうか。実際、当事者の芸人たち自身も「違法だとは知らなかった」と語っている。もちろん、知らなかったで済む話ではないが、「知らないほうが悪い」と単純に切り捨てていいのだろうか。
警察庁が昨年7月〜今年1月に実施した調査によれば、日本国内でオンラインカジノを利用したことがある人は約337万人にのぼるという。驚くべきことに、全体の約44%がオンラインカジノを「違法だとは思っていなかった」と回答した。芸人だけの問題ではなく、多くの一般人が違法性を意識することなく気軽にオンラインギャンブルを楽しんでいる現実がある。
しかし、こうした認識不足には理由もある。日本では、公営ギャンブルだけが合法とされる一方で、実際にはギャンブル的な行為が広く許容されているからだ。例えばパチンコは「換金していない」という建前で事実上黙認されており、警察関係者が賭け麻雀をしていた際も「図書券を景品にしていただけ」ということで、法的処分を受けなかったこともある。自粛を余儀なくされた芸人たちでさえ、思わず「ギャンブルやないか」とツッコミたくなる状況だ。