
「あなたはキトクです」
明け方、救急車で運ばれた病院で、こう医師から告げられた山田高雄さん(仮名)は、あまりのことに耳を疑った。
46歳のその日まで大きな病気をしたことはなく、救急車で運ばれたとはいえ、意識ははっきりしていたからだ。まさかキトクと言われるとは思わなかった。
生死の境をさまようことに
そもそもの始まりは、その日の午前3時頃の出来事だった。男性は昼夜逆転の生活をして、夜間に仕事をすることが多かった。
「この日も自宅で仕事していて、気分転換に両手を上げて大きく伸びをしたんです。そうしたら、背中がピキッとこわばって、急に痛くなりました。最初は四十肩かと思ったのですが、時間が経つにつれて、どんどん痛みが増して……」(山田さん)