「詰め込み」「偏差値」というイメージが強い中学受験。「受験のための勉強は子どもの将来に役に立つの?」「難易度より、子どもを伸ばしてくれる学校を選びたい」といった悩みを抱えている親御さんも増えています。思い切って「偏差値」というものさしから一度離れて、中学受験を考えてみては――。こう提案するのは、探究学習の第一人者である矢萩邦彦さんと、「きょうこ先生」としておなじみのプロ家庭教師・安浪京子さん。今回は「あと1問、あと1点に対する欲がなく、意識の甘さを改善させたい」と悩む、小5の娘を持つお母さんからのご相談です。

MENU あと1点の差を痛感するのは6年の1月ごろ 1点へのこだわりより、ポジティブさが評価される 点数にばかりこだわるようになる理由

あと1点の差を痛感するのは6年の1月ごろ

安浪:こう言ってしまうと、身も蓋もないですが、やっぱり試験の類って性格が大きく関わると思います。やっぱり負けず嫌いな子は圧倒的に有利ですし、無頓着の子は点数や結果が悪いとショックは受けるものの、行動の変化まではなかなかいかないです。

矢萩:僕も性格だと思いますね。でも楽天的でポジティブな性格って素晴らしいですよ。まずはその良さに目を向けてほしい。

安浪:そうですね。そして「あと1問」「あと1点」の差を痛感するのは、6年の1月ごろです。本番の入試が始まって、得点開示がされる学校ならば1点の差で合否が分かれることをリアルに知りますから。これは実際に自分で経験をしないとわからないです。

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安浪京子
中学受験専門カウンセラー/算数教育家 安浪京子

やすなみ・きょうこ/「きょうこ先生」として親しまれている中学受験専門カウンセラー、算数教育家。佐藤亮子さんとの共著『親がやるべき受験サポート』(朝日新聞出版)が好評。最新刊は『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』(ダイヤモンド社)。オンラインサイト「中学受験カフェ」主宰。

矢萩邦彦
中学受験塾塾長 矢萩邦彦

やはぎ・くにひこ/「知窓学舎」塾長、多摩大学大学院客員教授、実践教育ジャーナリスト。「探究学習」「リベラルアーツ」の第一人者として小学生から大学生、社会人まで指導。著書に『子どもが「学びたくなる」育て方』(ダイヤモンド社)『新装改訂版 中学受験を考えたときに読む本 教育のプロフェッショナルと考える保護者のための「正しい知識とマインドセット」』(二見書房)。

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