それはのちに秋元康式錬金術が生み出した「クラスで三番目に可愛い」(ちなみに秋元本人は「そんなこと言ってない、一番です」と全面否定)量産型アイドルとはひと味もふた味も違う古き良き天然モノなのだ。
さらに昭和の女優たちに話が及べば、マツコ&IKKOもヒートアップ。
みんな大好き五社英雄監督作品で輝いた女優たちは「私たちの魂よね!」とIKKOさん。
「私、みんなでやりたかった『吉原炎上』。仁支川峰子さんの役やりたかった」とIKKOが言えば、「ほらやだ、みんな峰子狙いよ、全員峰子になっちゃう!」とマツコ。
もはや年始営業している新宿二丁目のバーでママの会話にパンパン手を叩いてる気分。MNK(ミネコ)48な姐さん方が「噛んでえええ、ここ噛んでえええ!」と真っ赤なふとん部屋で絶叫しているのを幻視した。
だって心ゆくまでそのトークが楽しめる昭和脳だもの。暮れの「紅白歌合戦」もそうだったけど、スキあらば昭和レトロに浸る最近のテレビ業界。
テレビが最も華やかな娯楽だった時代。その「まぼろし~」なノスタルジーをこすり倒す業界に「たそがれ~」を感じる年始なのだった。
カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など
※週刊朝日 2023年1月20日号