「学校の理科の授業とは別に、自分のやりたい実験や観察ができる場所があったらいいのにな……」。そう思っている子どもたちにおすすめの、ユニークな科学館が千葉県柏市にあります。外から見るとどこにでもありそうな古いアパートだけれど、扉の中では、望遠鏡をつくったり、化石発掘体験をしたりと、ワクワクする体験の数々が待っています。小中学生向けのニュース月刊誌「ジュニアエラ1月号」(朝日新聞出版)から紹介します。
【写真】柏市の古アパート「手作り科学館エクセドラ」ってどんなところ?(全8枚)「本日のメニュー」から好きなテーマを選び、実験・観察
東京都心から電車で30分ほどの千葉県柏市は、人口約44万の住宅都市だ。その玄関口である柏駅から5 分ほど歩くと、「手作り科学館エクセドラ」に着く。科学館と聞くと、コンクリートや石造りの立派な建物を連想するが、この科学館は空き家だった古いアパートの中にある。看板をよく見ないと、ここが科学館だと誰も思わない、地味な外観だ。でも、建物の中に一歩足を踏み入れると、そこには科学館が大好きなスタッフと来館者が生み出してきた、爽やかな熱気が漂っている。
建物は1 階と2 階に分かれ、1 階は展示室と実験室、2階は資料の収蔵庫。展示室には、動物の骨や毛皮、海の生き物の骨格や化石などのほか、子どもたちの研究成果も展示されている。顕微鏡で岩石や鉱物などを観察できるコーナーもある。
これらの展示に加えて目を引くのは、充実したワークショップ(体験型の講座)のメニューだ。この日は「化石発掘体験!」「望遠鏡をつくろう」「ちりめんモンスターを探せ!(※1)」など11のメニューが用意されていた。来館者は、この中から好きなものを選び、館内で、実験・観察・工作などに取り組むことができる。
「私たちが大切にしているのは、来てくれた一人ひとりの反応を見ながら、ていねいに展示の解説をすることです」
こう語るのは、館長の羽村大雅さんだ。