忘年会や新年会のシーズンだ。忘年会や歓送迎会など会社の「飲み会」を欠席する世代がクローズアップされるようになってしばらく、コロナ禍を経て、会社の「飲み会」事情はどう変わったのか。
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無礼講とはいえ、気は遣わざるを得ない。会社の飲み会の話だ。
AERA dot.編集部では「職場の飲み会」についてアンケートを行った。若手も中堅もベテランも、働く現代日本人は「飲みニュケーション」をどうとらえているのだろうか。
アンケートからは、意外な実態が見えてきた。
「上司に気を使う」という話はよく聞くが、「年長者に気を使ってしんどい」43%に対して、「若い世代や後輩に気を使ってしんどい」と答えた人も40%にのぼり、ほぼ同率だったのだ。
若者相手は「上司と飲むより苦痛」
若い世代や後輩と飲んで「しんどい」理由としては、「話が合わないのに、場の雰囲気を壊さないように話し続ける努力をしなければいけない」という趣旨のコメントが多かった。
「若手のノリ、話の内容が理解不能でも聞いてあげないといけない。相互理解は必要だと思うが、楽しくはない」(神奈川県40代男性、技術職)
「なぜ、お金を払って飲み会に参加して、年下に気を使わねばならないのか」(40代女性)
「アルハラだと思われないように、言葉づかいに気を使いながら話さなければならないので、飲み会が終わるころにはクタクタになる」(神奈川県50代男性、警備員)
「飲み物はあるか、セクハラやパワハラを受けていないか、場になじめているか、若者に声をかけたり、そっと目を配っている」(宮崎県50代女性、看護師)という人もいた。
若手に「意味がわからない」と失笑され…
宴席の「無礼講」が暴走することもあるようで、若い世代の態度にショックを受ける年長者もいる。
「若い人たちに話しかけたところ、『意味がわからない』と、失笑された。私だけでなく、同世代の仲間は『傷づくね』と落ち込んだ」(岩手県60代女性、パート)
「20代から突然、出身大学を聞かれた。正直不快だったし、失礼だと思った。その人は自分の出身大学より上の偏差値の大学名が大きく書かれたはっぴを着て芸をした。若手に甘い上司は拍手したが、もう2度と参加したくないと思った」(東京都40代女性、医師)
いっぽう、飲み会に潜む暗黙のルールにストレスを感じる人も多い。たとえば、上司や年長者に対して、酌をせよという圧力だ。