夏真っ盛りの今、朝晩の通勤中やお買い物など外に出る時に、暑さによって流れた汗をハンカチやタオルでふくことが多いと思います。
そして、そんな毎日が続くと、首回りや顔周り背中などがかゆくなってきたり、お風呂に入った時に、肌がヒリヒリしませんか?
そうした症状を放っておくと、かゆみやヒリヒリが悪化して、思わぬ肌トラブルに!
夏特有の肌トラブルの原因を知り、夏を快適に過ごしましょう。
その肌荒れ、実は「汗荒れ」では?
気温が上昇すると、体は体内の熱を放出するために汗を出します。
汗は非常に重要な「体のバリア機能」なのですが、でも、困ったことに仕事中、通勤中、お買い物、デート中など、私たちが「ここで汗をかきたくないな」と思うシーンでも出てしまうもの。
そして、その汗で肌荒れをしてしまう人がいます。
私も以前、首回りの肌荒れに悩んだことがあります。最初は「ネックレスによる金属かぶれなのかな?」と思い、とりあえずネックレスを外してはみたものの、いっこうに症状は改善せず……。
さらに、「こまめに首の汗をふいたほうがいいのかな?」と思い、タオルやシートタイプのもので何度も汗をふいたりしていたのですが、症状は改善するどころか次第に悪化。困ったことに、赤みを帯びてヒリヒリしてきたのです。
このように、夏の汗による「かゆみの原因」をきちんと理解していないと、かえって悪化させてしまうことに。
体内の熱を放出することで体を守ってくれるほか、皮脂と混ざって皮脂膜を作るなど、様々な防衛機能をもった汗も、ときに肌荒れの原因となることがあるのです。
「汗」が原因で、なぜ肌荒れを起こすのでしょう?
実は、肌トラブルの原因は大きく二つあるといわれます。
ひとつめは、いったんかいた汗を、拭き取らずにそのまま放置してしまうこと。
次に、かいた汗を何度もゴシゴシとハンカチやタオルでふくこと。
そして、そうした理由の背景にあるものとは……。
汗による肌荒れの理由01/雑菌
汗はアルカリ性であり、肌に長く汗を留めておくことで、雑菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。
肌は本来弱酸性ですが、汗の付着によって肌がアルカリ性に傾き、肌表面の菌のバランスが崩れてしまうことで、肌荒れが生じるといわれています。
汗による肌荒れの理由02/バリア機能の低下
汗の塩分やアンモニアが、お肌のバリア機能が低下した皮膚を刺激することも、肌荒れの理由とされます。
もともと肌表面には、外部の汚れや紫外線の侵入を防ぐバリア機能を備えていますが、そのバリア機能が低下することで、汗の成分に含まれる塩分、アンモニアなどの不純物が皮膚内へ侵入し、それが刺激となって汗荒れが起こすことに……。
つまり、皮膚が正常なバリア機能を保っているときは、水分と油分がちょうどよい状態なのですが、水分不足などが原因となって皮膚乾燥が生じ、バリア機能が低下してしまうことで肌荒れが生じるといわれています。
では、肌荒れを防ぐためには、どのようなことをすればよいのでしょう。
何より大切なのは、発汗後に肌荒れの原因を皮膚上に残さないこと、となります。
肌荒れを防ぐための方法01/「汗はすぐ拭き取る」
まずは、汗をかいたらすぐに拭き取るようにします。
汗の蒸発とともに皮膚の水分まで奪われるため、そのまま汗を放置しておいてはいけません。
でも、拭き取る時に注意したいポイントは、肌を傷つけないためにタオルやハンカチでゴシゴシこすらないこと。
例えば、汗だくのお子さんの汗を拭いてあげる際には、汗が乾ききる前にタオルを肌に押し当てるイメージで、しっかり拭き取ってあげましょう。
また、スーツ姿のビジネスであれば、首すじや髪の生え際、顔なども同じく、水にぬらしたハンカチやタオルを汗に押し当てるイメージで、拭き取っていきましょう。
また、すでにかゆみが生じている場合は、汗に含まれる塩分を皮膚上に残さないことが大切。
この時も同様に、水にぬらしたハンカチやタオルを軽く絞り、患部へ押しあてましょう。
水効果によるひんやり感がかゆみを緩和してくれますし、肌への刺激を最小限にする効果も得られます。
この時季に欠かせないタオル地やガーゼ生地のタオル。水に湿らせて汗を拭き取る際に重宝する一枚を携行しておくと便利ですね。
男性もゴシゴシ洗いは禁物です!
肌荒れを防ぐための方法02/「洗いすぎに注意」
この時季は、帰宅したらまず汗を流したい!という方も多いでしょう。
でも、シャワーを浴びる際に注意してほしいポイントは、過度な体の洗浄によって人間がもともと備えている肌のバリア機能をうばってしまうことなのです。
固形せっけんやボディーソープを使いすぎたり、何度もゴシゴシ洗うことは、結果として皮膚乾燥を防ぐ肌の成分を落としてしまうことになってしまいます。
この繰り返しを毎日続けていると、刺激に弱く、少しの汗でも荒れやすい肌になってしまいかねません。
そのため、「ゴシゴシ洗わないと洗った気がしない」という人は、夏の時季であっても入浴後に保湿をすると◎。もちろんこれは女性・男性を問わずです。
実は、誤った認識をもつ人が多いのですが、乾燥肌の人ほど、汗疹(あせも)になりやすいリスクが高いと言われています。
これは、次のような肌サイクルが考えられます。
●多量の発汗によりレンガ・ブロックのように配置された角質細胞が乱れる ➡ 乱れた角質細胞のスキマから肌の水分がどんどん蒸発 ➡ 肌が乾燥状態に陥る ➡ 乾燥により角栓(垢)が生じる ➡ 角質細胞が詰まる ➡ あせもができる
夏は特にこうしたサイクルによって肌本来のバリア機能が失われてがちなので、ゴシゴシ体を洗浄した時ほど保湿が大切になってくるのです。
また、汗による肌荒れは、肌の乾燥が進む30代から起こりやすくなります。
私の場合、市販されている汗拭きシートのメントール感の気持ちよさがクセになり、外出時にも何度も首回りをゴシゴシふいてしまっていました。それが結果として、肌に強い刺激を与えてしまうことに。
そして、そうした皮膚表面乾燥と強い刺激が、「汗荒れ」の原因であったことに気づいたのですが、優れた製品でも使い方を間違うと、皮膚トラブルを引き起こすことがあります。
「自分は大丈夫」と過信しすぎず、夏は汗による肌荒れ対策を習慣にして健やかな肌を保ってくださいね。