米国の大統領選は、共和党のドナルド・トランプ前大統領が勝利し、第47代大統領に就任することになった。トランプ氏は2019年5月、令和に入って最初の国賓として来日。皇居での宮中晩餐会に招かれ、皇后雅子さまとメラニア夫人という「皇后」と「ファースト・レディ」の白いドレスの競演が注目を集めた。このときの雅子さまは、晩餐会では着用されるティアラを着けていなかった。なぜティアラが、皇后や女性皇族の顔の上で輝かなかったのか。
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東京・皇居で2019年5月27日夜、国賓のトランプ氏とファースト・レディのメラニア夫人を招いての宮中晩餐会が催された。宮殿の大広間「豊明殿」には、日米両国政府の要人や各界の著名人ら165人が招かれた。
宮中晩餐会における男性のドレスコードは、夜間略式礼装である「タキシード」。天皇陛下やトランプ大統領も、黒の蝶ネクタイのタキシードで臨んだ。
そして雅子さまは、淡いベージュのロングドレスに、繊細なレースのジャケットという装いだった。
このときの装いについて、長年パリコレで取材を続けてきたファッション評論家の石原裕子さんは、こう振り返る。
「雅子さまがお召しのレースのジャケットは、ごく薄く緻密で繊細な意匠がフランスの貴婦人に愛されたシャンテリーレースのようです。レースに織り込まれている薔薇は、アメリカの国花です。相手国への敬意を感じます」
一見控えめでありながら、繊細な装飾や仕立が施されていると指摘する。
そしてメラニア夫人は、羽の刺繍が施された、着物を思わせるケープ型のドレス。雅子さまもファースト・レディも、優雅なたたずまいだった。
王族であればティアラ着用?
しかし、宮中晩餐会の華やかな装いと言えば「ティアラ」だ。しかし、出席した雅子さまも、ほかの女性皇族もティアラを着用していない。なぜ雅子さまや女性皇族は着用していなかったのだろうか。
「宮中晩餐会の主賓が王族でない場合、皇室側も勲章とティアラは着用しない」
一般的には、そう説明されることが多い。